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その時ハートは盗まれた ビートルズが世界へ放ったロックンロール

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ビートルズのシングルデビュー曲、ラヴ・ミー・ドゥについては前回触れましたが、アルバムデビューは、同曲も含まれている『Please Please Me : プリーズ・プリーズ・ミー』ということになります。
このデビューアルバムがリリースされたのは、1963年3月22日のことで、この際はモノラル仕様になっていました。
これから旅立とう!という意欲に満ちたファーストアルバムであり、当然その1曲目に何を持ってくるか!?は、考えに考えた上でのものだったと思います。

ビートルズが選んだのは、『I Saw Her Standing There : アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア』でした。
この事実から、やはりビートルズの中にはロックロールへの思い入れが強くあったことが伺えます。

また、興味深いのが、演奏に入る前のカウントです。
プレイヤー、アーティストであれば、演奏に入る前にカウントを入れるかどうか?は、結構重要なポイントだと思います。
さらに言えば、そのカウントがワン・ツー・スリー・フォー!という人の声なのか?
ドラムによるカウントなのか?

ビートルズが世界へ向けて最初に放った音は、ポールの肉声によるカウントでした。

ファーストアルバムの1曲目に収録したわけですから、ビートルズ、とりわけポールにとっては、常に思い入れのあるナンバーであり続けたことでしょう。
今でも、ライブで演奏をしてくれますしね。

please please me

ところで、このナンバーはロックンロールですが、歌詞もまたお洒落な内容です。
17歳の彼女にぞっこん!
もう他の娘となんて踊れないよ!

ぼくには君だけ、君にはぼくだけ。
そんな若々しい心の発露を感じます。

一説には、この「彼女」というのは、ジョンのことを言っているのではないか?という話もあるようです。

ジョンと運命的な出会いを果たしたポール。
もう、君としか出来ないよ!
そんな気持ちを恋に重ねて描いた作品なのかもしれません。

さて、70年代くらいまでに出回っていた譜面集などには、このナンバーについて『その時ハートは盗まれた』という邦題が付されていました。
レコード会社側は、この邦題を採用していないそうですが、なかなかよく練られたものにも思えます。

後日談。
もしポールが、ジョンとしかやれないんだ!という意味で書いたのだとしたら、ビートルズ解散後に、ジョン・レノンがエルトン・ジョンとこのナンバーを共演しています。
これは、浮気??

浮気娘というナンバーがありましたが、浮気男だと洒落になりませんね。
結構、ジョンも私生活で大変だった時期に、エルトン・ジョンと近い距離にいたし、そういったことを思い描きながら、アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼアを聴いてみるのも面白いかもしれません。

いずれにしても、このナンバーは、ロックンロールに乗せたポールの強烈なラブ・ソング。
そう表現していいと思います。
相手が本当に17歳の女の子だったのか?男だったのか?は、ちょっと謎のままにして。

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