ホワイトアルバムに収録された『Martha My Dear(マーサ・マイ・ディア)』。
ピアノの調べも印象的な素敵なナンバーだと思います。
このアルバムの制作過程ではよくあったように、マーサ・マイ・ディアの録音にあたっては、ポール以外のメンバーは参加していません。
ポールは、単にマルチプレイヤーというだけではなく、どのパートでも非常に高いクオリティーを持っているし、才能を証明している一作と言えそうですが、やっぱりファンとしては、ビートルズの4人が揃ってほしかったという気持ちもありますね。
なお、このナンバーにはブラスとストリングスが挿入されていますが、それ以外は全部ポールが一人で演ったという意味です。
ボーカル、ピアノ、ギター、ベース、ドラム・・・と。
すごい人です。
さて、ここで歌われているマーサですが、ポールの愛犬の名前だそうです。
ポールは愛犬家だったらしく、後年ウィングス時代に『ジェット』というヒット曲を発表していますが、これも愛犬の名前から取っているそうです。
いとしいマーサ・・・・と、優しく語りかけるポール。
犬の名前だと知らなければ、ラブソングにも聞こえます。
いろいろ実験的なナンバーが入っていたり、革新的な試みがなされているホワイトアルバムですが、マーサ・マイ・ディアは、いかにもポールらしい、優しくもポップ感覚にあふれた名作のひとつだと思います。