1960年代も後半になると、様々な実験的バンドあるいは、革新的なサウンドを駆使するアーティストが登場してきます。
たとえば、キング・クリムゾンやピンク・フロイドも代表的な例だと思います。
そんな中、ジェネシスの存在も忘れることができません。
1969年にレコード・デビューを果たしたジェネシスは、ピーター・ガブリエルをメイン・マンとして、その地位を確立していきます。
ちなみに、ピーター・ガブリエルが、ジェネシスに在籍したのは、1975年まで・・・。
このピーター・ガブリエルは、まさに『鬼才』という名で呼ぶにふさわしい人だったと思うし、一個のカリスマであった!と、私は思っています。
ピーター・ガブリエル時代における初期のジェネシスは、ビージーズに影響を受けたとも言われていますが、当然、ビートルズからも触発されるものがあったことでしょう。
その証左と申しますか、ピーター・ガブリエルは、1977年にリリースされたビートルズ・カバー・アルバムに、ストロベリー・フィールズ・フォーエバーを収録しています。
ルイス・キャロルの世界を想像させるような、潜在意識を刺激する名曲、ストロベリー・フィールズ・フォーエバー。
ピーター・ガブリエルは、原曲の良さを消すことなく、自身の個性を存分に注入しています。
ジョン・レノンが歌った世界は、まるでおとぎ話のようで、それはもう、素晴らしい出来映えでしたが、ピーター・ガブリエル作品も、非常に良い味を出していると思います。
鬼才が天才のカバーをする!というのは、こういう組み合わせを言うのかもしれません。
1960年代後半、ロック史に名を刻む偉大なバンドが多数出てきたことは、ビートルズの存在と無縁だとは思えません。
どれだけ多くのアーティスト達が、ビートルズからの影響を受けて生まれ、育って来たのか?
その謎解きには、膨大な時間を必要としそうです。