FROM THE BEATLES 60年代 70年代 ロックの森

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ホワイト・アルバムにおける『ヤー・ブルース』の貴重性

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録音機材の発達と共に、ビートルズはライブ活動よりも、スタジオでの録音に力を入れるようになり、その傾向は歳月と共に、より深くなっていきます。

さらに、メンバー4人の音楽性の違いが表面化し、それぞれの主張が楽曲にも反映されていく。

その顕著な例が、皮肉にも『THE BEATLES』と名付けられた、いわゆるホワイト・アルバムでありましょう。

1968年に発表された、この2枚組アルバムでは、メンバーそれぞれが、自分のやりたい曲を、自分の思うようにプレイしている感があります。
とはいえ、名曲揃いであることは、間違いありません。

アルバム作成中に、リンゴ・スターが脱退するような危機も訪れ、ジョージ・ハリスンは、自らのギター・プレイを否定され、録音では蚊帳の外に置かれたシーンも多かったと言います。

しかし、そんなホワイト・アルバムの中に、バンドとして渾身の1曲があるのも事実です。

『ヤー・ブルース』(Yer Blues)

曲中で、ぽんぽんとリズムが変化する革新的なこの曲に関しては、ビートルズのメンバー4人が揃って演奏し、何と2晩もかけて、70テイクも撮り直したというのですから、すごい力の入れようです。

ポール・マッカートニーは、元々、納得がいくまで撮り直したいタイプだったと言われていますが、対象的にジョン・レノンは、ファースト・テイクを大切にし、撮り直しは嫌いだったとか・・・。

そんなジョン・レノンの曲を2晩かけて、70テイクとは、異例中の異例だと思います。

ヤー・ブルースは、その曲名が示すとおり、ブルース・テイストを効かせた作品です。

これは、当時、『ニュー・ロック』とも称された、ブルースを基盤としたアドリブ・プレイを得意とするクリーム(CREAM)などが、台頭していたことも、少なからずジョン・レノンに影響を与えていたのではないか?と、私としては愚考しています。

そんな中、ジョン・レノンは、ビートルズとは違ったメンバーで、ヤー・ブルースを演奏しています。
まさに、夢のようなメンバーであり、ヤー・ブルースを演奏するに、これ以上の人選はないのではないか!?という豪華な顔ぶれ。

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ギター&ボーカル:ジョン・レノン
ギター:エリック・クラプトン(クリーム)
ベース:キース・リチャーズ(ローリング・ストーンズ)
ドラム:ミチ・ミッチェル(ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス)

まさに、ヤー・ブルースを演奏するに、ビートルズ以外ならば、最高の布陣ではないでしょうか。
しかも、それはもう格好いい!格好良すぎる!

ジョン・レノン自身、新進気鋭の顔ぶれで、ヤー・ブルースを演奏したかっただろうし、新しい音楽世界へと進もうとするジョン・レノンの心の動きを慮ることが出来ます。

ヤー・ブルースは、ビートルズのその後、さらには、ジョンの未来を暗示する1曲だったのではないか?
私は、そんな風に思っています。

ロックを囲む環境、新しい息吹が、ビートルズにも少なからず変化をもらたしつつあった。
そう言っていい、シーンではないでしょうか。

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