ポール・マッカートニーは、ある時期において、エルビス・コステロとの距離をぐっと近づけたことがありますね。
お互いのアルバムに参加するなど、ある意味対等なコンビのようにさえ見えたものです。
今回は、そんな二人の共演作から、エルビス・コステロのVeronica(ヴェロニカ)のことに、ちょっとだけ触れてみたいと思います。
ヴェロニカは、1989年2月14日にリリースされたエルビス・コステロのアルバム、Spike(スパイク)に収録されているナンバーです。
ポール・マッカートニーとの共作であり、演奏も共にしています。
このとき、ポールはビートルズ時代のトレードマークでもあったヘフナーのベースを使用しているのですが、これはエルビス・コステロの進言によるものだったと聞いております。
ポール自身は、ヘフナーを使うことに、当時はあまり積極的ではなかったようですが、エルビス・コステロが、ヘフナーの良さをポールに説いたと言われていますね。
ジョン以外で、ポールにものを言えたのはエルビス・コステロだけという話もありますが、それも頷けます。
ヴェロニカは、記憶をなくしてしまった老婦をテーマにしていると言われていますが、そのモデルは、エルビス・コステロの祖母だそうで、実際認知症を抱えていたそうです。
その祖母が、時に怖くなるほどに鮮明な意識となる瞬間があり、エルビス・コステロは、そこから得たインスピレーションを元に、ヴェロニカを創ったと語っています。
このナンバーでも感じますが、エルビス・コステロとポールの相性は、非常に良いようですね。
感覚がフィットしている空気感が伝わってきます。
ビートルズのメンバーが、ゲストとして参加したナンバーは、探してみると結構あり、今回は、ヴェロニカを紹介いたしました。
センスにあふれ、ポップなフィーリングも兼ね備えた名曲のひとつだと思います。