ビートルズの数ある名盤の中で、一際異彩を放っているアルバムといえば、いわゆる「ホワイト・アルバム」をあげることが出来ると思います。
4人の個性、コントラストが際立った2枚組でしたね。
このホワイト・アルバムには、実に数多くの名曲が収録されていますが、ビートルズの歴史のひとつと言っていいのは、かのエリック・クラプトンがギタリストとして参加していることだと思います。
当時のエリック・クラプトンは、「Clapton is God!」と称されるほどの存在でした。
(本人は、そう呼ばれることを嫌っていましたが。)
ご存知の方々も多いと思いますが、エリック・クラプトンがギターを弾いているナンバーは、「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」。
クラプトンは、ジョージから依頼を受けた際、説明を聞き、「それなら簡単にできる」と即諾したそうです。
そのレコーディングの際には、エリック・クラプトンとジョージ・ハリスンの間を行き来することになるレスポールが使用されています。
Amを基調とする、まさに泣きのギターでした。
ホワイト・アルバムが発表されたのは、1968年のこと。
ビートルズが解散し、その後1975年には、ジョージ・ハリスンはソロアルバム「xtra Texture (Read All About It) 邦題:ジョージ・ハリスン帝国」を発表しています。
このアルバムの3曲目に収録されたのが、「This Guitar (Can't Keep From Crying) 邦題:ギターは泣いている」
私、このアルバムが日本で発売になった際に、即買いし、愛聴したものでした。
今でも大好きなアルバムです。
さて、This Guitarですが、ジョージ・ハリスンは、ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープスの姉妹曲という位置づけで書き下ろしたようです。
このときは、エリック・クラプトンではなく、ジョージ・ハリスン自らがリードギターを奏でています。
この時代になると、ジョージ・ハリスンのギターの腕前は、メキメキあがってきた印象を受けます。
ピッキング・イントネーションが、ビートルズ時代よりも、格段に繊細になっていますね。
また、ジョージ・ハリスンは、ソング・ライターとしても、更に才能を開花させている。
あまり、話題にあがることのないナンバー、あるいはアルバムだと思いますが、私としては、超が付くほどお勧め盤です。
エリック・クラプトンも、ジョージ・ハリスンのギターには、敬意を表しており、特にスライドギターに関しては、かなり誉めておりました。
ジョージが際立って輝いた時期・・・・このアルバムは、そんな季節に世に出た、ある意味傑作だと、私は思っています。