ビートルズの数ある名曲の中にあって、特にイマジネーションをかき立てられるナンバーが、Strawberry Fields Forever。
リバプールの郊外には、実際に戦争孤児院としてStrawberry Field(こちらは’S’がつきません)が実在しましたが、おそらくジョンはこのナンバーを書き上げるにあたり、自らのイマジネーションの世界に浮遊していたのではないか?と、私は想像しています。
このナンバーは、その旋律、アレンジも印象的だし、特に詩における独創性が群を抜いています。
まさしく言霊とでも表現したいほどに。
一方、このStrawberry Fields Foreverと対をなす作品があります。
ポールが写実的に描いたPenny Lane。
この両曲は、両A面としてシングルカットもされています。
Strawberry Fields Foreverが、恐ろしくなるほどに内向的かつ空想的であるのに対し、Penny Laneは、実在の通りの姿を見たままに、あるいは開放的に描いているところが印象的です。
ある意味、まったく相反するスタンスにより完成された対をなす2曲がカップリングすることにより、見事なハーモニーを奏でているように思えます。
ジョンとポールを語る上で、貴重な一枚ではないでしょうか。
今となったからこそ言えることですが、この2曲が内包する核のようなものが、以降におけるジョンとポールの人生を反映しているようにも感じるから不思議です。
ジョンとポール。
この2人の天才がもつ拠り所を知るためのヒントにもなりそうなナンバー。
永遠に語り、歌いつがれていく名作だと思います。