1964年12月4日にリリースされたビートルズ4作目にあたるオリジナルアルバム、Beatles for Sale(ビートルズ・フォー・セール)。
このアルバムのA面5曲目に収録されたのが、"I'll Follow The Sun"(アイル・フォロー・ザ・サン)。
お馴染みレノン=マッカートニー作品ですが、実質的にはポールのものと言われていますね。
ポールがつくったこと。
このナンバーは、ビートルズが結成されるよりも前の時期のものであること。
これらは、ポール、またジョンの後日談により明らかなようです。
後年ポールが語ったところによれば、16歳の時期に病で寝込んでいた際、レースのカーテン越しの陽光を感じながらつくったものだとか。
発表が1964年になったことについては、ポール自身は、あまり気に入っていなかったという逸話が残っているそうです。
とはいえ、こうしてビートルズのアルバムに挿入してきているので、ポールなりに何らかの納得感も抱いていたのではないか?
私としては、そう考えております。
また、仮にポール自身が、いまひとつ気に入っていなかったとしても、このナンバーの魅力が薄れる要素にはならないと言えるでしょう。
元気あふれる初期のビートルズ作品の中にあって、こういった曲調のナンバーが入って来ることは、それなりの味わいを醸し出しているように思います。
私は、このナンバーを聴き、詩、言葉に耳を傾けると、なぜか正岡子規の世界を思い出します。
ビートルズの煌めく名曲群の中では、地味なものかもしれませんが、陽光を感じながら、ひとりぼーっと何かを眺めるときに流れていてほしいナンバーです。