「隠れた名盤」という表現が適切か?は、迷うところですが、これまで受けてきた評価以上に素晴らしい出来映えだ!という意味で、ジョージ・ハリスンのアルバム「ジョージ・ハリスン帝国」について、触れてみたいと思います。
1975年9月に発表されたこのアルバムは、A面、B面に、それぞれ5曲が収録され、アルバムとしても個々の作品を取り上げても、極上の出来映えになっています。
ソングライターとしてのジョージの成長は勿論、ギタリストとしての腕前が、ものすごく向上していることを実感できるアルバムだと、私は思っています。
また、このアルバム制作に参加したアーティスト達も、すごい顔ぶれ。
たとえば、レオン・ラッセル、ビリー・プレストン、ゲーリー・ライト、ニッキー・ホプキンス、ジム・ケルトナー、カール・レイドル、ジム・ゴードン、デビッド・フォスターなどなど・・・。
キーボード陣の充実ぶりも素晴らしいですが、カール・レイドルとジム・ゴードンが参加しているところが、このアルバムの希少価値を表していると思います。
カール・レイドルとジム・ゴードンといえば、あのデレク・アンド・ザ・ドミノスのリズム隊。
まさに、エリック・クラプトンつながりですね。
どの楽曲でも、素晴らしい演奏を聴かせてくれていますが、ここでは、1曲、ニッキー・ホプキンスのピアノが非常に印象的な、「Can't Stop Thinking About You」をピックアップしてみたいと思います。
ロック・サウンドの中に、オーケストラ楽器を融合させる手法などは、おそらくビートルズ時代から学んできたものでありましょう。
ビートルズが解散し、自らの創作活動により意欲を増したジョージ・ハリスン。
その面目躍如たる一品だと思います。