ビートルズの曲づくりといえば、レノン=マッカートニーという黄金のコンビが君臨していたわけですが、私としては曲づくりにおけるジョージ・ハリスンの才能に一目置いております。
ただ、曲づくりに関していえば、ジョージが遅咲きだったのは確かかと思います。
ある意味、すぐ近くに天才2人がいたことは、ジョージにとって難しい環境だったかもしれないと想像してみたり・・・。
そんなジョージにとって、事実上はじめての作品はといえば、ビートルズのセカンドアルバムであるウィズ・ザ・ビートルズの4曲目に収録された『Don't Bother Me(ドント・バザー・ミー)』ということになります。
さて、このナンバーをジョージがつくったことには、ある背景があるようです。
ジョンの美大時代における友人で、マージー・ビート誌の創刊者でもあるビル・ハリーが、ジョージに手紙で尋ねたそうです。
「ジョンもポールも曲づくりをしているのに、どうして君はつくらないの?」と。
それに対するジョージの答えが、このドント・バザー・ミーだとも言われています。
詩の内容としては、彼女が去ってしまったことを歌っており、一見ラブソングにも見えます。
「今は、誰とも話したくないんだ」と綴るジョージ。
「ほっといてくれよ」
ある意味、これがビル・ハリーに対するジョージの率直な気持ちだったのかもしれません。
しかし、やがてジョージは、ひとまわりもふたまわりも成長したソングライターとして、その才能を開花する時を迎えます。
そういった意味では、ジョージの記念碑的作品とも言えそうです。