ビートルズ解散後のジョン・レノン。
その作品には、賛否両論もありました。
ある人は名曲といい、別の人は失敗作だと言い・・・。
さて、1970年に発表されたアルバム’JOHN LENNON’ 邦題:「ジョンの魂」の中に、GOD(ゴッド)という曲があります。
私は、この曲に、ある種の凄味を常に抱いています。
世の中で、価値あるもの、権威あるものとされているもの共を次々と否定していくジョン。
I don't believe in magic
I don't believe in I-ching
I don't believe in Bible
I don't believe in tarot
I don't believe in Hitler
I don't believe in Jesus
I don't believe in Kennedy
・・・・といったように、延々と「ぼくは信じない」という歌詞が並びます。
そして、最後にややテンションを変えて叫ぶのは、’I don't believe in Beatles’
私が注目しているのは、次に出て来る言葉、’I just believe in me’との間に、絶妙な真空の時間が入る部分です。
この無音の僅かな時間において、ジョンは、自分の中からビートルズを離そうとしたのではないか?
そうとも思えてくるのです。
逆に言えば、それくらいジョンにとってビートルズは大きな存在だった。
それは、ポール・マッカートニーにも同様のことが言えると思います。
ビートルズとの決別。
それをゴッドにおける一瞬の間で表現しようとしたジョン。
しかし、おそらくジョン・レノンの中から、ビートルズが完全に消え去る日は、永遠になかったのだと思います。
もしかしたら、ビートルズは再結成されていたかもしれない?
そう思わせる時期があったのも事実です。
そのことに関しても、後日、稿を改めて書いてみたいと思っています。
それにしても、ゴッド・・・・。
本当に、ショッキング且つ凄味のある一曲です。