1964年7月10日に、イギリスで発売されたビートルズのアルバム『A Hard Day's Night』。
彼等にとって、3枚目のオリジナル・アルバムという位置づけになりますね。
このアルバムのB面冒頭に出てくるのが、今回取り上げるエニイ・タイム・アット・オール(Any Time At All)。
お馴染み、レノン=マッカートニー作品ですが、実質的にはジョンのものと言われています。
当時におけるビートルズの勢いが、そのまま乗り移ったかのような印象を受けるナンバーかと思います。
とにかく、大胆でダイナミックなビートが効いていますね。
気持ちがよいほどです。
歌詞をそのまま素直に読めば、ラブソングだと言えなくもない・・・と、私は思います。
「君から知らせがあれば、ぼくはすぐに飛んでゆくよ」
「いつだってね。どんなときだってね」
真っ直ぐな恋を感じるわけですが、その感情が、ビートにも表れているし、ジョンのボーカルもパワフル。
また、ボーカル部分では、まずジョンがタイトル・コールをするのですが、2度目のタイトルコールはポールが担当しており、この掛け合いが絶妙だと感じます。
ビートルズにとって、この時代は、宇宙へと羽ばたく時だったのでしょう。
アルバム全体を通じ、勢いを感じます。
当時の音楽シーンに思いを馳せてみると、こういったナンバーが世に問われること自体、画期的だったことでしょう。
あえて言えば、サプライズ。
ビートルズが、世界を席巻していくとき。
エネルギーに充ち満ちた作品だと思います。