ライブハウス等での下積み時代を経たビートルズは、やがて世界中を熱狂させる存在へとなっていきます。
ライブを開催すれば、常に熱狂的なファンに囲まれ、文字通り休む暇もなかった日々。
そんなビートルズが、アルバム・リボルバーを発表したのが1966年。
この頃から、ビートルズはライブ活動を控え、スタジオでのサウンドづくりをメインにしていくことになります。
折しも、その同時期1966年に、ロック史に革命を起こすスーパートリオ(スリーピース・バンド)が登場してきます。
その名は、クリーム。
クリームの特徴は、まず一人ひとりの演奏スキルが、恐ろしく高い!
何せメンバーは、ギターにエリック・クラプトン、ベースにジャック・ブルース、ドラムにジンジャー・ベイカーという超強力な布陣でした。
クリームが、音楽シーンに現れる前までは、多くはボーカルメインの楽曲が主流だったわけですが、彼等3人は、その常識を根本から覆した。
大音量での演奏。
それは、まさに3人のバトルとでも表現したくなるようなもので、大型アンプを使用したライブパフォーマンスは、延々と続くアドリブ合戦で、ニュー・ロックとも呼ばれ始めていました。
クリームのサウンドは、サイケデリック色の強いものとされましたが、ことライブ・ステージになると、圧倒的な迫力と技術に裏付けされた、当時としては、あまりにも高いクオリティーを誇るものだった。
特に、ライブ時に自由に延々と3つの楽器が、アドリブを矢継ぎ早に叩き込む様は、聴く者を虜にしていきます。
クリームのメンバー3人は、それぞれ異なるバックボーンを持っており、ドラムのジンジャー・ベイカーは、ジャズ畑から、ギターのエリック・クラプトンはブルース、そしてベース兼ボーカルのジャック・ブルースは、本格的にクラシックを学んでおり、チェロ奏者としても知られています。
クリームの出現により、ボーカルメインの時代から、長いリフを採用した大作を制作するバンドが、その後排出されてきます。
アフター・ザ・ビートルズの時代、その先駈けはクリームであった!
そう言っても、大きな間違いはないと思います。
ビートルズが、リードしてきたロック界に新風が吹くターニングポイント。
それこそ、1966年前後と言っていいかもしれません。