
ビートルズのオリジナルアルバムとしては5作目にあたるのが『Help!』。
1965年8月6日に、イギリスでリリースされたこのアルバムのA面4曲目に収録されたのが、I Need You(アイ・ニード・ユー)。
ジョージ・ハリスンの作品ですね。
ジョージは、ビートルズのメンバー中、最もスカウサーらしい発音をしていたと言われているし、私もそう思います。
スカウサーとは、リバプールで生まれ育った人達を呼ぶ言葉で、ロンドンなどとはまったく異なる発音をすることで知られています。
このアイ・ニード・ユーでは、特にジョージのスカウサーぶりが垣間見られるように感じるのです。
フィルムにおいては、ジョージがアコースティックギターを抱え、リズムを刻んでいますが、レコーディングではリードギターを担当しています。
このナンバーにおいて、ジョージとしては初めてバイオリン奏法を用いたとされています。
ギターを弾く方々にとってはお馴染みの奏法かと思いますが、簡単にご説明しますと、ボリュームを絞った状態から徐々に上げてゆく・・・。
そうすることで、音の波形がバイオリンに似たものとなることから名付けられたものです。
私などは、バイオリン奏法といえば、ギターのボリューム・スイッチを操作して醸し出すものだという思考が働きます。
多くのストラト使いのギタリストは、そうしていますね。
ただ、ジョージの場合には、ボリューム・ペダルを使用しているものと思われます。
あの奏法は、使うギターの種類によっては、極めて困難ですし。
おそらく、バイオリン奏法に最も適したギターは、ストラトキャスターではないでしょうか。
さて、アイ・ニード・ユー。
シンプルな曲調ですが、私はとても気に入っているナンバーのひとつです。
前述したとおり、ジョージの発音がまたいい。
ビートルズはリバプール出身なんだ!
そう思わせてくれる一作です。