音楽には、その時代を象徴するサウンドというものがあると思います。
このブログでは、60年代、70年代をターゲットにしておりますが、今回はギターにスポットを当ててみたいと思います。
おそらく、60年代を象徴するギターの奏法と言ってもいい『ウーマン・トーン』のことを。
ウーマン・トーンとは、その名のとおり、女性がむせび泣くような音・・・と、表現する人々もいますが、ごくごくシンプルに説明をすると、ギターのトーンを絞り込み、ハイトーン(高音部)を思いっきりカット(遮断)します。
そのことにより、中音、低音域がナチュラルに、甘く歪むようなトーンを奏でることが可能となります。
ウーマン・トーンの代名詞といえば、やはりエリック・クラプトンの名前をあげないわけにはいきません。
特に、ギブソン系のギターを使用していたクリーム時代のエリック・クラプトンが醸し出していたギターサウンドは、ウーマン・トーンの味わいを顕著に出しています。
意外に思われる皆さんもいらっしゃるかもしれませんが、いまやロック、ライブでの定番ギターともなっているギターにレス・ポールがあります。
ハムバッキング・ピックアップを搭載していますが、元来はジャズで使用されていました。
それをロックに持ち込んだのがエリック・クラプトン。
当時は、驚きを持って見られたものでしたが、真似をする人々が急増し、ハードなロックでも定番機材となっていきます。
このハムバッキング・ピックアップを搭載したギターですと、ウーマン・トーンの味わいも出しやすいですね。
ギターを弾く人は、どうしてもトーン・コントロールを上げたがる傾向にありますが、エリック・クラプトンは、あえて逆の発想を採ったということ。
今ならば、ちょっとしたことに思われるかもしれませんが、60年代とは、そういう細かいテクニックが、多々生まれた時代でもありました。
まさに、ギタリストにとって、日々変化という激動の時代。
いと面白きかな・・・ですね。