タックスマンは、ジョージ・ハリスンによるナンバーで、あのアルバム・リボルバーに収録されたものです。
ジョージ作品の中にあっても、傑作と呼んでいい1曲だと、私は思っています。
また、このタックスマンが貴重なのは、ビートルズのアルバム、その冒頭を飾ったものであること。
ビートルズのアルバムで、ジョージの作品が1曲目に取り上げられたことは、画期的だったのではないでしょうか。
今回は、そのタックスマンについて、ちょっと雑感を書いてみたいと思います。
曲名のとおり、このタックスマンは税金について、多少の自虐と皮肉を込めて創作されたものです。
ヨーロッパの諸国は、比較的早い時代から、物品税などのいわゆる間接税に比重を置いていたものの、当時のイギリスは直接税の比率が非常に高かった。
ある意味、一昔前の日本に似ている状況ですね。
ジョージが、タックスマンをつくった時代は、イギリスでの直接税は、95パーセントだったとも言われているほどです。(累進課税)
簡単にいえば、稼いだお金の5パーセントしか、本人に渡らないということ・・・。
要するに、裕福な人達からは、たくさん税金をもらいましょう!という発想だったわけですね。
そんな状況を曲にしたのが、タックスマンだったわけですが、実はこのナンバー、意外な人物がカバーをしています。
スティーヴィー・レイ・ヴォーン
ブルース・ギターが好きな方々ならば、まさにカリスマのような存在です。
スティーヴィー・レイ・ヴォーンのギター・プレイに憧れるギタリストは、世界中にどれほどいることか。
私などは、スティーヴィー・レイ・ヴォーンが、ジョージのナンバーを弾く!というだけで、もうお腹が一杯です。
ビートルズの蒔いた種は、本当にあらゆる世界に拡がってゆくのですね。
このギター・トーン!
たまりません。
こういう演奏を聴かされると、ついつい自分でも弾いてみたくなりますね。
なお、スティーヴィー・レイ・ヴォーンは、ギタリストとしてこれから!という時期に、イベントの帰りに搭乗したヘリコプターが墜落事故に遭い、若い命を失っています。
いまはもう、ジョージもSRVもいない。
今日この日に、今一度、じっくり聴き、あの時代を思い出しているところです。