エリック・クラプトン、ジャック・ブルース、ジンジャー・ベイカーの3人により、クリームが結成されたのは、1966年のことでした。
ビートルズの時代でいうと、ちょうどアルバム「リボルバー」の頃だと言っていいでしょう。
クリームは、それまでのロックあるいはポップシーンの常識を覆すようなプレイを見せ、特に、そのライブ・ステージは驚愕するようなものでした。
くしくも、ビートルズが、ライブ活動から身を引いていった時期に、超絶な演奏を得意とするクリームが出現したことは、その後のロック・シーンの変化を予見させるものだったように思えます。
当時は、楽曲づくり、あるいは歌(ボーカル)をメインに据えることが、当たり前のように考えられていましたが、クリームの場合は、ギター、ベース、ドラムという必要最小限の構成による、いわゆるスリーピースで、即興的に延々とアドリブを駆使するスタイル。
また、3人ともに、卓越した技術をもっており、世界中の人々が、驚きをもって迎え、ニュー・ロックなどとも称されました。
クリームにとっては、歌などは、楽器のソロを取るためのオマケに過ぎない・・・とも言えるほどに、当時の常識を覆したものであったと言えると思います。
それでいて、ジャック・ブルースのボーカルは、あまりにも次元、レベルが高いのですから、お手上げです。
クリームの活動は、約2年間という短命に終わることとなりますが、永遠にロック史に残るスーパー・バンドとしての地位を確立しています。
また、エリック・クラプトンとジョージ・ハリスンの交流、友情は有名ですが、ベースのジャック・ブルース、ドラムのジンジャー・ベイカーも、ジョージのソロ・アルバムに参加したことがあり、ビートルズとの縁も浅くありません。
さらに、詳しくは後日、触れていきたいと思いますが、ギタリストとしてのエリック・クラプトンは、当時としては未知の奏法をいくつも生み出しています。
・チョーキングをしてのビブラート。
・ジャズ用とされていたレスポールをロックで使用。
・ウーマントーン。
・ワウによる特殊効果
・演奏するたびに変化するフレーズ、即興プレイ。
などなど。
エリック・クラプトンと出会ってからのジョージ・ハリスンは、明らかにギターの弾き方に変化が見られます。
かなりの影響を受けたものと思われます。
クリームの登場に象徴されるように、ビートルズを取り巻く環境も、大きな変化に包まれてくる。
そんな時代だったし、クリーム以降、次々と出てくるスーパーバンドの存在が、ビートルズのあり方に変化をもたらしたのも事実だと、私は思っています。