ビートルズのデビューアルバム、プリーズ・プリーズ・ミーの4曲目に収録されているのが「チェインズ」ですが、このナンバーはカバー曲です。
原作者は、ジェリー・ゴフィンとキャロル・キングで、オリジナルとして最初にリリースされたのは、1962年11月のことでクッキーズによってでした。
今回は、このチェインズを題材としつつ、若干キャロル・キングとビートルズのことについて触れてみたいと思います。
まず、オリジナルとなったクッキーズが歌うチェインズは、こんな感じです。
ところで、このナンバーの作者キャロル・キングですが、多くの名曲を手がけており、濃いファンを持ち続けてきたアーティストだと思います。
ただ、キャロル・キングにも若かりし頃に挫折のようなものはあったのだと思います。
そのきっかけになったのがビートルズのアメリカ進出だと言われているから、妙な縁です。
キャロル・キングがヒットメイカーとしてヒットチャートに次々と楽曲を送り込むようになるのは、1960年~1963年にかけての3年間です。
面白いもので、自分が作ったナンバーをカバーしてくれたビートルズによって、レコードのセールスが伸び悩むようになるとは・・・。
ただ、元来キャロル・キングは才能のあった人でしたから、やがて不動の地位を音楽界に築くことになります。
その上で、後年のこと、1980年にはアルバム『Pearls: Songs of Goffin and King』を発表し、この中で、チェインズをセルフカバーしています。
おそらく、この時期には、揺るがない自信もあったのでしょう。
作者本人が歌ったチェインズは、こんな感じに仕上がっています。
やはり、キャロル・キングならではの味わいがあると思います。
それにしても、ビートルズとは怖ろしい勢いで音楽界に旋風を巻き起こしたものです。
おそらく、ビートルズの登場にショックを受けたアーティストも多くいたことでしょう。
そんなビートルズも、キャリアを積む中で、あまりにも斬新なスタイルをもったバンドに後を追われることになります。
ビートルズ前後。
ある意味、ロック界が、最も多くの変化を遂げた時代だと言ってよさそうです。