ビートルズ解散。
世界は、あまりにも大きな喪失感に包まれていました。
しかし、そんな中、解き放たれたかのように才能を開花させたのが、ジョージ・ハリスンではないか?と、私は思っています。
ソロになってからのジョージの作品達には、より深みが加わったように思えるし、とにかく、どのアルバムも参加アーティストがすごい。
そんなジョージの代表作として、今でも語り継がれているのが、1970年発表当時は、3枚組という大作として世に放たれた「All Things Must Pass:オール・シングス・マスト・パス」です。
もう、名曲揃いだし、素晴らしい参加アーティスト達の名前をあげはじめたら、きりがありません。
たとえば、ジョージ・ハリスン&デレク&ドミノスとでも呼びたくなるほどに。
今回は、そんな名盤のタイトル名にもなっているナンバー「オール・シングス・マスト・パス」について、ちょっとだけ触れてみたいと思います。
まず、このナンバーは、演奏、メロディーも勿論ですが、とにかく詩の世界が秀逸ですね。
ちんけな表現過ぎますが、美しい!
すべての詩に味わいがあり、省略したくないのですが、歌い出しだけでも、十分にその魅力が伝わってきます。
Sunrise doesn't last all morning
A cloudburst doesn't last all day
Seems my love is up and has left you with no warning
It's not always going to be this grey
すべてのものは変わりゆく
うつりゆく・・・
ある種の無常観を感じるし、私はいつも、このナンバーを聴くときに、方丈記あるいは祇園精舎を想起してしまいます。
もっちろん、ジョージのオリジナルが素晴らしいのは言うまでもありませんが、エリック・クラプトンが企画した追悼コンサートの際には、もう泣けましたね。
ジョージの名曲をポールが歌い、エリックがギターを弾き、ジョージの愛息ダニー君が共にいる。
文字通り感無量の光景でした。
時は常に流れ、ひとつところに留まらない。
それでも、名曲は脈々と生命が受け継がれてゆくのですね。