平家物語。
あのあまりにも有名な序、祇園精舎の語りでは、こう謳われています。
「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす」
また、鴨長明の方丈記では・・・
「行く河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。淀みに浮かぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたる例(ためし)なし」
という有名な書き出しがあり、いずれも無常感に満ちたものとなっています。
さて、ジョージ・ハリスンが、ビートルズ解散後にソロとして、1970年に発表したアルバム「オール・シングス・マスト・パス(All Things Must Pass)」は、LP盤にして3枚組という大作にして、不朽の名盤と言われています。
このアルバムは、楽曲の素晴らしさは勿論、気絶するほど麗しいミュージシャン達が、レコーディングに参加しています。
その件については、後日触れるとして・・・・。
アルバムのタイトル曲となった「オール・シングス・マスト・パス」。
そのタイトルからして、私は、無常感をひしひしと感じるのです。
ジョージは言います。
「すべてのものは過ぎ去ってゆく」
切々と歌いあげるバラードに、東洋の香りを感じるのは、おそらく私だけではないと思います。
今回は、あえて、ポール・マッカートニー&エリック・クラプトン・バージョンでどうぞ♬
この曲を、あのジョージのスカウサー的な発音で歌われると、本当に心にしみます。
希代の名曲だと思うし、私の人生にとっても、大切な1曲です。
すべてのものは、うつりゆく。
ひとつところにとどまらない。
インド音楽にも傾倒していたジョージ・ハリスン。
そんな彼の人生を象徴している歌にも思えてきます。
美しい歌をありがとう。
ジョージ!