「5番目のビートルズ」と呼ばれる存在は、何人かいると思うのですが、今回ご紹介するアーティストもその一人。
Billy Preston(ビリー・プレストン)について、ちょっぴり書いてみようと思います。
ビリー・プレストンは、いわゆるキーボード奏者ですが、本格的に音楽活動をスタートさせたのは、教会におけるゴスペルのオルガン奏者としてだと言われています。
私が持っているイメージも、まったくそのとおりです。
もちろん私は、ビリー・プレストン本人に会ったことはないし、想像の域を出ないのですが、必ずや愛されるべき人柄だったように思えるのです。
5番目のビートルズとも呼ばれるくらいですから、当然共演もしており、アルバムで申しますと、レット・イット・ビーやアビーロードの録音に参加しています。
実は、私がビリー・プレストンを一人のアーティストとして強く意識して見たきっかけは、ジョージ・ハリスンが主催した、あのバングラデシュ・コンサートのアルバムを買ってからでした。
このコンサートに、ビリー・プレストンも参加しており、「That's The Way God Planned It」を披露してくれています。
並み居る超大物アーティストの名演の中にあっても、このナンバーでのビリー・プレストンは、素晴らしい輝きを発していました。
私の第一印象は、とにかく声がいいな!・・・というものでした。
ビリー・プレストンは、もう天国へ旅立っておりますが、その訃報に接したとき、私は何とも表現できない感慨を抱きました。
また一人、最高のアーティストが逝ってしまったかと。
ビリー・プレストンは、ビートルズが解散した後も、それぞれのメンバーと交流を保ち続けます。
かのコンサート・フォー・ジョージでも、エリック・クラプトン等と共にジョージのナンバーを歌い、追悼に参加しております。
思えば、ビートルズも後期になると、メンバー間の雰囲気が重たくなり、いさかいもあったと言われています。
そんなとき、ビリー・プレストンが、中に入ることで、彼等は随分と和んだそうです。
リンゴ・スターが当時を回想して語った言葉が印象的です。
「あのとき、ビリーが来てくれて、本当に助かったよ」
リンゴの率直な思いだったことでしょう。
今夜は、私がビリーを偲ぶ番です。
彼のオルガンと歌声を聴きながら、一日を終えたいと思います。