FROM THE BEATLES 60年代 70年代 ロックの森

ザ・ビートルズとその周辺

Think For Yourself Rubber Soul(ラバーソウル)におけるジョージ・ハリスンの作品

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Rubber Soul


ビートルズのオリジナル・アルバム、その6作目にあたるのが『Rubber Soul』(ラバー・ソウル)。
このアルバムが、イギリスでリリースされたのは、1965年12月3日のことでした。
そのA面5曲目に収録されたのが、今回取り上げる'Think For Yourself'です。
邦題では、『嘘つき女』として知られていますね。
私は、この邦題って、これでいいのかな?と思ってしまうのですが、当時としては違和感なく使われていたのでしょう。
無論、邦題に関しては、ビートルズにとっては、まったく関係のないことです。

Think For Yourselfですが、ご存知のとおりジョージ・ハリスンの作品となります。
ビートルズといえば、レノン=マッカートニーのコンビがヒットメイカーですが、ジョージの作品も素晴らしいものがありますね。
ただ、どうしても一枚のアルバムに挿入されるジョージの作品には限りがあって、一枚につき2曲ということが既定路線になっていたと思います。

さて、このナンバーですが、ボブ・ディランの影響を濃く受けているというのが一般的な見方です。
ジョンもディランの影響を受けた曲を創作しているし、やはりディランという人は計り知れない影響力を持っていたことが分かります。
一方、ディランもビートルズの影響を受けた部分があり、お互いにシンパシーを送り合っていたと見ることが出来ますね。

Think For Yourselfのサウンド面ですが、まずコーラスが秀逸だと思います。
勿論、リードボーカルはジョージが担当していますが、バッキンのハーモニーが素晴らしい。
これは、ポールでしょうか。

また、このナンバーを語るときには、よくポールのベースが話題になります。
ベースにファズ(深く歪ませるエフェクターのひとつ)をかけており、それがこのナンバーのトーンを決定づけています。
ファズといえば、普通に考えればギターにかませるものですが、ベースに用いたところがアイディアですね。
後年、キング・クリムゾンが、ボーカルにファズをかけて驚愕されますが、ビートルズはラバーソウルの時代から実験的な取組みをしていたということでしょうか。
年数を経るに連れ、一枚のアルバムにつき2曲という枠にジョージが何を思っていたか?
それも含めてビートルズの歩みだと私は思っています。

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