ポール・マッカートニーの作品には、数多くの名盤、名曲がありますが、私が個人的に気に入っているアルバムがあります。
それは、1984年に発表された「GIVE MY REGARDS TO BROAD STREET(邦題:ヤァ!ブロード・ストリート)。
サントラ盤という位置づけですが、なぜか私、このアルバムを聴いていると、妙に癒やされるのです。
このアルバムでは、ポールのソロ時代、ウィングス時代、そして何と言ってもビートルズ時代のセルフカバーがふんだんに盛り込まれており、懐かしさと新鮮さの双方を味わうことができます。
参加ミュージシャンも実に豪華な顔ぶれで、たとえばピンク・フロイドのデビッド・ギルモア(ギター)、レッド・ツェッペリンのジョン・ポール・ジョーンズ、TOTOのスティーブ・ルカサー(ギター)などが参加しています。
さらに、とびっきりのゲストは、誰あろうリンゴ・スター!
ここに一つの逸話があります。
ポールがリンゴへ参加を打診した際、リンゴは引き受けるにあたり、ひとつだけ条件を出したそうです。
その条件とは、「ビートルズのナンバーは叩かない」というもの。
ポールも、その条件をのんだがゆえに、二人のビートル共演が実現したわけですが、面白いことに、PVでは、ビートルズナンバーをしんみりポールが歌っている際、手持ち無沙汰にしているリンゴの様子が盛り込まれています。
いやいや、リンゴのエンターテイナーぶりが見事過ぎます(*^。^*)
さらに、参加しないというリンゴの意向を尊重しつつも、それをユーモアに代えてしまうポールの才。
ビートルズのバラード・メドレーが終わると、しっかりドラムセットに座るリンゴの姿が、とても微笑ましいですね。
ジョンが天国に召され、ジョージもこの世を去った今、ポールとリンゴには、いつまでも元気でいてほしいものです。
ステキなナンバー、極上の演奏の中に、皮肉とユーモアを名作に昇華してしまう2人の姿にうっとりです。