昨今でこそ、様々な形でミュージシャン達が、チャリティー・コンサートを開催することが増えてきましたが、そういったスタイルを初めて確立したのがジョージ・ハリスンだと、私は思っています。
飢餓と貧困に苦しむバングラデシュの状況を知ったジョージは、友人でもある多くのアーティストに声をかけ、大規模な救済コンサートを開催。
ここから得た収益を活かすだけではなく、世界のどこかで、こういった悲劇が起こっていることを世の中に知らしめる役割を果たしました。
チャリティー・コンサートといえば、ブームタウンラッツのボブ・ゲルドフが主催したライブ・エイドが有名ですが、その遙か前にジョージは行動を起こしていた・・・。
バングラデシュ・コンサートがなければ、その後の音楽界は変わっていたかもしれません。
ジョージの呼びかけに応じたアーティストは多数。
主立ったところ、その一部をあげただけでも凄いメンバーです。
ボブ・ディラン
エリック・クラプトン
リンゴ・スター
レオン・ラッセル
ビリー・プレストン
ラヴィ・シャンカール
カール・レイドル
ジム・ケルトナー
などなど・・・。
バングラデシュ・コンサートが開催され、レコード化されたのは、1971年。
3枚組のLP盤で、ボックスの中には、各出演者の格好いい写真の数々が挿入されていました。
私も勿論、買いました。
中学生の時だったので、決して安い買い物ではありませんでしたが、ジョージによって、世界を観る目を育てられたといってもいいと思っています。
このアルバムに収録されている曲は、どれも素敵ですが、特に私が気に入っているテイクは、’Beware Of Darkness’です。
スタジオ・テイクと、最も違うところは、途中のボーカルをレオン・ラッセルが引き受けるシーン。
これがまた、本当にいい味を出してくれています。
バングラデシュ・コンサートにより、ジョージは、元ビートルズの・・・・という存在から、優れた企画力を持ったアーティストとしての地位を確立します。
もしかしたら、ビートルズ解散後、最も輝きを増したのは、ジョージだったのかもしれません。
The Concert For Bangladesh
音楽がもつパワーを世界のために駆使した歴史的なイベントだった。
私は、そう確信しています。