2006年の今日、7月7日のこと。
一人の男が天へと旅立ちました。
その名はバレット。
私は、このシド・バレットを思うとき、何を書いてよいのかに迷います。
それくらい思い入れがあり、彼の人生をチンケな文章で表現することは出来ないと考えるからです。
シド・バレットは、1946年1月6日、ケンブリッジで生を授かっています。
その生涯は60年間でしたが、表舞台に出ていた年数は、その一部に過ぎません。
ピンク・フロイドのオリジナル・メンバーとして、際だった個性と才能を発揮し、彼等の存在は注目されるようになっていきます。
あの大成功をおさめた偉大なるピンク・フロイドの創世期段階のことでした。
ギター&ボーカルのみならず、作詞、作曲も手がけていたシド・バレットは、まさにピンク・フロイドの顔であり心臓だった。
しかし、ピンク・フロイドとしてのセカンドアルバム制作中には、既に音楽活動を継続することが困難になっており、そのことは他のメンバーもはっきり気づいていたようです。
シド・バレットの後任ギタリストには、シドの親友でもあるデヴィッド・ギルモアが加入。
このデヴィッド・ギルモアの加入により、ピンク・フロイドは世界のスターダムへとのし上がっていくことに。
シド・バレットの病状については、私としては触れることを避けようと思っています。
不正確な情報を流したくない気持ちもあります。
後年、ピンク・フロイドのメンバー達が、シド・バレットのことを回想するビデオが公開されていますが、絵の才能にも恵まれた、とてもチャーミングな人物だったようです。
そのピンク・フロイドですが、世界に鳴り響くバンドになっても、シド・バレットへの敬意、愛情を忘れることはなかった。
彼等がシド・バレットを思い、残した作品は、どれも名作だと言っていいでしょう。
シドへのオマージュ。
また、シド・バレットに影響を受けたとされるアーティストも多数にのぼります。
あるいは、シド・バレットのようになりたい!と、憧れたミュージシャン達も。
有名どころでは、あのデヴィッド・ボウイが、シド・バレットの大ファンだったことはよく知られることで、実際デヴィッド・ボウイは、シド・バレットが在籍していた当時のピンク・フロイドナンバーをカバーしているし、シド・バレットが描いた絵を多数所有しているとも言われています。
さらに、あのマーク・ボランやポール・ウェラーなども、シド・バレットに影響を受けた人々。
その人生は、悲壮感の漂うものだったのかもしれない。
しかし、本当にそうだったのか?は、本人にしか分かりません。
少なくとも、私達は、後年ピンク・フロイドが発表していくことになる曲の中に、シド・バレットの姿を見ることができます。
この日にあたり、どうぞやすらかに。
心からの敬意を込めて。
RIP