時にジョンは、時間に追われ、走り回る生活に対して、自虐とも思えるけだるい曲を創っていますね。
その代表格のひとつが、アルバム、リボルバーに収録されている「アイム・オンリー・スリーピング」だと思います。
このけだるい感じの歌、そして演奏は、絶妙な表現力ではないでしょうか。
頼むから 起こさないでくれよ
そっとしておいてほしいんだ
このまま眠っていたいんだ
みんなは僕を怠け者だと言うだろう
でも、みんなのほうが、どうかしているのさ
あちこち駆けずりまわって
それが何の意味もないことに気づいていないんだ
この曲には、ほとんど聞こえないほどの音量ですが、あくびの声も入っており、またギターのテイクについて、テープを逆回転させて、よりけだるさを強調しています。
思えば、磁気テープ時代に、少しずつ録音技術が発達して来た時期における実験的な取組だったという一面も秘めていると思います。
バックで演奏するジョージのギター、ポールのベース、リンゴのドラムも、眠たい感を見事に表現しています。
何とも、粋な曲ではありませんか。
私も子守歌にするときがありますよ。
忙しすぎたビートルズ時代の生活から逃れたい・・・そういった心の片隅にある小さな思いを、ジョンが歌にしたものかと思われます。