ビートルズ時代におけるジョージ・ハリスンの代表曲といえば、やはりSomething(サムシング)を外すわけにはいかないと思います。
せつないほどに甘美なメロディー。
ジョージ独特のギタートーン。
印象的なコード進行と・・・。
また、このサムシングには、ジョージの思いがたっぷりつまっていると言っていいと思います。
私がまだ若かりし頃の或る夜のこと。
ラジオからジョージの声が流れてきました。
インタビューにこたえていたものです。
インタビュアーは、こんな質問をしていたと思います。
「サムシングは、誰を思ってつくったの?」
ジョージは、ちょっとはにかんだような声で、こうこたえていました。
「May be Pattie」
ジョージとパティの恋物語だと思うと、また感無量ですね。
ところで、今回は、そんなサムシングについて、ちょっと違った視点でアプローチしてみたいと思います。
リンゴ・スターのドラムプレイです。
このナンバーにおけるリンゴのドラムは、出色の出来映え、ベストパフォーマンスのひとつ!と言ってもいいほどだと、私は思っています。
歌詞で言いますと・・・
You're asking me will my love grow
I don't know, I don't know
You stick around now, it may show
I don't know, I don't know
この部分におけるリンゴのドラムプレイは、ビートルズにおいてリンゴが叩いてきたアプローチと若干異なっており、あたかも歌っているかの如く聞こえます。
一人オーケストラ!とでも言えるほどに。
サムシングが名曲たる由縁は、もちろんジョージが書いた作品の良さにありますが、ドラマ性をより帯びているのは、このリンゴのプレイに負うところも大きいと、私は思っています。
私が、ドラマー・リンゴ・スター!を意識し始めたのは、ビートルズを聴きだしてから、かなりの歳月を経てからだということを告白しなければなりません。
ただ、しっかりリンゴのプレイと向かい合ったとき、その魅惑的な世界を実感するのです。