ビートルズが、その活動を終えようとしている時期から、イギリスを中心に、斬新な音楽が台頭をしてきました。
1960年代後半から1970年代は、類い希なる才能が開花した時代だと言っていいと思います。
私としては、あまり音楽をジャンル分けしたくないのですが、当時の風潮としては、プログレッシブロックが隆盛を極め、一方ハードロックも人気を博していましたね。
ビートルズ全盛期と比べると、単純にいえば、1曲が長くなり、大作と呼べる作品が増えています。
また、相当高い演奏技術を持ったタレントが多々輩出されてきており、曲作りも、ある意味難解なものが目立ってきたかと。
そんな中、1970年代後半になると、新しい波が押し寄せてきます。
文字通り、ニューウェーヴと呼ばれるアーティスト達の登場です。
彼等は、プログレッシブロックやハードロックとは一線を画し、独自の存在感を表していきます。
その中でも、最も成功した例のひとつが、ブロンディではないかと、私は思います。
ブロンディといえば、ボーカルのデボラ・ハリー、彼女の存在感が、あまりに強烈で、ブロンディ=デボラ・ハリーというイメージを持っていらっしゃる方々も多いと思います。
バンドの名前のとおり、デボラ・ハリーはブロンドの髪がシンボルであり、そこに赤い口紅というルックスが、当時は事件にも似た騒がれ方をしたものでした。
本当かどうかは知りませんが、ブロンディというバンド名も、トラックの運転手がデボラ・ハリーに向かって、"Hey Blondie" と声をかけたことにちなんでいるとか・・・。
日本語でいえば、「よっ!そこの金髪のお姉ちゃん!」という感じでしょうか。
それにしても、ブロンディが人気を博していた時代、私は高校生で、すごい女性ボーカルが出てきたな!と、ドキドキもしたものでした。
ロック界に吹いた新しい風。
ただ、このニューウェーヴは、打ち上げ花火のように、一瞬の魂を燃えたぎらせて、やがてまた、違う時代へと飲み込まれてゆくのです。