
エリック・クラプトンが関わったナンバーの中で、代名詞的な作品といえば、一般的には『Layla』(邦題:いとしのレイラ)をあげる方々が大半かと思います。
1971年に発表されたこのナンバーは、デレク・アンド・ザ・ドミノス時代のもので、アルバム『Layla and Other Assorted Love Songs』のタイトル曲にもなっています。
今回は、このレイラに注釈を加えようというわけではなく、私の経験も踏まえて、そのライブ・パフォーマンスの変遷について取り上げてみたいと思います。
ほんの欠片ですが。
まず、デレク・アンド・ザ・ドミノスのメンバーですが、次の4人となります。
■エリック・クラプトン:ギター&ボーカル
■ボビー・ウィットロック:キーボード&ボーカル
■カール・レイドル:ベース
■ジム・ゴードン(ドラムス)
アルバム収録の際には、ゲストという扱いで、デュアン・オールマンが参加していることも有名ですね。

さて、レイラのことですが、人気曲とあって、ライブでも多くのテイクが残っています。
私自身のことを書くと、エリック・クラプトンの日本公演は、2度目の来日ツアーから皆勤賞で通ってきました。
若い頃のエリック・クラプトンですが、レイラを演奏するにしても、後半のピアノコーダの部分は省略していました。
前半部分のギターソロで、そのまま終わらせるというスタイルが取られていたのです。
いろいろ説はありますが、おそらくジム・ゴードンとの関係性が、大きな理由だというのが正確なのかと。
デレク・アンド・ドミノスのドラマーであったジム・ゴードンは、気性の荒い人で、エリック・クラプトンとは、性格的にまったく合わなかったと言われています。
実は、このレイラですが、前半部分はエリック・クラプトンの作品であり、ピアノコーダ部分は、ジム・ゴードンの作だった。
おそらく、エリック・クラプトンとしては、ジム・ゴードンが書いた部分は、演奏したくなかったのではないか?と、私は考えています。
ただ、歳月は流れ、いまや必ずピアノコーダ部分もライブで演奏されるようになりました。
これも、エリック・クラプトンが人間として、若い頃とは異なる境地へ行ったことの証左ではないかと。
やはり、レイラを聴くならば、フルバージョンで堪能したいですよね。
そういった負の歴史も踏まえた上で、かみしめたい名曲であります。