Little Wing(リトル・ウィング)という名曲をこの世へ送り出したのは、かのジミ・ヘンドリックス。
私自身、この曲には思い入れがあり、よく自分で演奏をすることもあります。
リトル・ウィングが希有な曲であることは、これをカバーしているアーティストが多く、どれも秀逸な出来映えであることでも分かります。
原曲へのリスペクトを感じるのです。
リトル・ウィングをカバーしている人々を探し始めれば、それはもの凄い労力になることでしょう。
それくらい多くのアーティストから愛された。
たとえば、有名どころでは、やはりデレク・アンド・ザ・ドミノス。
ジェフ・ベックもそうだし、SRV、スティングなどの名前をあげることもできます。
デレク・アンド・ザ・ドミノスバージョンは、必然的にエリック・クラプトンにより、幾多のステージで再現されてきました。
名演の数々ですが、実は私の壺と申しますか、とても微笑ましいリトル・ウィングがあります。
ゲスト・ボーカルでシェリル・クロウが参加し、サックスは名手デヴィッド・サンボーンによるもの。
シェリル・クロウは、まさに格好いい人で、ついシェリル姐さん!と呼んでしまう自分がいます。
エリックとのボーカルの掛け合いが絶妙だし、ステージ上にいてメンバー達の演奏を純粋に楽しんでいる姐さんの表情がいいですね。
私が最も好きなのは、エリックとデヴィッド・サンボーンによるソロの掛け合いです。
エリックがギターを弾く際、陶酔した表情になることは有名ですが、デヴィッド・サンボーンも負けてはいません。
その姿を見て笑う姐さん。
ふと、我に返り、エリックまで笑い出し、それでもデヴィッド・サンボーンは陶酔境にいる。
ソロパートが終わったとき、照れ笑いをする彼の表情がすごくいいですね。
数え切れないほどの名演を生んだリトル・ウィングという曲に宿る神秘的なパワー。
やはり、ジミ・ヘンドリックスは凄い!
結局、そこへ帰結するのでしょうか。
これからも、多くのアーティストに奏でられるであろうこの曲に、私も心からのリスペクトを込めて。