ビートルズのデビューアルバム『Please Please Me』がリリースされたのは、1963年3月22日のことでした。
このヒットにより、一躍有名になったビートルズは同年11月22日には、セカンドアルバムとなる『With the Beatles(ウィズ・ザ・ビートルズ)』を早くもリリースされるに至っています。
ビートルズの才能、その秘めた可能性に気づいていた人々もいたでしょうが、レコード業界の人々からすれば、「売れているうちに、どんどん売ってしまおう」という意思が働いたことも、完全には否定できないと思います。
しかし、このセカンドアルバムも大成功!
ビートルズは、世界のトップアーティストとして認知されることになります。
ウィズ・ザ・ビートルズのレコーディングは、1963年7月にはじまり、完成したのは10月だと言われています。
デビューアルバムは、ほぼ一日で収録を終えたとされており、それと比較すると、かなりの時間を費やしているわけですが、ここには次のような理由があったようです。
まずひとつには、プリーズ・プリーズ・ミーのヒットにより、コンサートの開催、テレビあるいはラジオへの出演などが続き、簡単に言えば忙しくなっていたという事情が背景にありました。
また、もうひとつの理由としては、セカンドアルバムを手がける時期に至ってもプリーズ・プリーズ・ミーがチャートの1位に居続けており、むやみに次作を出しても、デビューアルバムの売り上げに影響を与えてしまうという周囲の判断も働いていたようです。
しかしながら、プリーズ・プリーズ・ミーが1位から落ちることはなく、ウィズ・ザ・ビートルズのリリースへと踏み切るわけですが、何とチャート初登場にして1位に・・・。
2位には、プリーズ・プリーズ・ミーが続くという現象が起こり、この状態が20週間続くという記録も残っています。
まさに、この時点でビートルズは、世界のトップスターになったと言っても過言ではないと思います。
ウィズ・ザ・ビートルズを聴いていると、デビューアルバムで感じられたエネルギー、若々しさが健在だし、曲づくりなどでも更なる進化を遂げていることが感じられます。
また、当時衝撃に似た受けとめ方をされたのが、この斬新なレコードジャケットですね。
かなりアートの要素が入ってきているように感じます。
このジャケット・デザインは、明らかにプリーズ・プリーズ・ミーとは一線を画すものだと言っていいと思います。
この撮影技法は、ハーフシャドーと呼ばれ、以降、各アーティスト達も、ジャケットにアートの要素を取り入れるようになっていきます。
個々のナンバーを見渡しても、いわゆる名曲と呼ぶにふさわしい作品も存在し、ビートルズの歴史にあっても貴重な位置を占めるアルバムかと思います。
今後、ゆっくり、じっくりと、このウィズ・ザ・ビートルズの中身にも触れていければ!と、思っている次第です。