ビートルズのキャリアが後半へと差し掛かってくると、メンバーの間から放たれる緊張感のようなものを見て取ることができます。
また、初期とは異なり、4人が揃ってレコーディングに参加する機会が減少してきたことも事実です。
何かが4人の中に起こり始めていた・・・。
様々な要素があったことでしょう。
そんな中、ほっと一息つけるような微笑ましいナンバーこそ、「ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ」ではないでしょうか。
このナンバーは、ご存知「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」の2曲目に登場するわけですが、ビリー・シアーズを演じるリンゴがボーカルのメインとなり、ビートルズ4人が揃って歌っています。
それも、掛け合いと申しますか、受け答えの展開になっているところが、実に心あたたまりますね。
リンゴ自身、このナンバーをとても大切にしているようで、自身のイベントを開催するときには、アンコールの定番となっています。
「何とかやれそうだよ。友達のちょっとした助けがあればね」
といったような歌詞にも、どことなくあたたかさを感じます。
ロック史上の金字塔とも呼ばれるサージェントペパーズを発表し、ビートルズは解散への道へと進んでいくことになります。
そんな時代に、この1曲が存在したことが、率直に私は嬉しいのです。