
The Dirty Mac
久しぶりにジョン・レノンのことを書いてみたいと思う。
ビートルズ時代のインパクトがかなり強いが、アフター・ザ・ビートルズでもジョンが輝いている瞬間がある。
今回取り上げるものは、数あるジョンのエピソードでも相当な格好良さである。
ローリング・ストーンズによるロックンロール・サーカスにて、ジョンはThe Dirty Macというバンドにより「ヤー・ブルース」(Yer Blues)を演奏している。
ヤー・ブルースは、1968年にリリースされたアルバム「ザ・ビートルズ」に収録されているナンバーであり、このアルバムは「ホワイトアルバム」という名で呼ばれることの方が多い。
オリジナルのビートルズ・バージョンも勿論格好いいのだが、The Dirty Macが演じるヤー・ブルースは、もはや反則級の格好良さなのである。
歌、演奏も凄いものがありつつ、とにかくバンド・メンバーが豪華で、誰を追ってよいか?に迷うこともある。
こういうバンドでビートルズのヤー・ブルースを演奏していたのは奇跡かもしれない。
The Dirty Macのメンバーはというと...
■ギター&ボーカル:ジョン・レノン
■ギター:エリック・クラプトン(クリーム)
■ベース:キース・リチャーズ(ローリング・ストーンズ)
■ドラムス:ミチ・ミッチェル(ジミ・ヘンドリックス エクスペリエンス)
誰も皆、超一級品のアーティストであり、その道の達人ばかりだ。
彼等が同じステージに立って、共に演奏しただけで、それは奇跡とも言える。
ギターを弾いているエリック・クラプトンは、ストラトキャスター使いとして知られているが、それは後年のことで、この時期にはギブソンのギターを好んで使用していた。
自分が進むべき道を模索している時期、エリックはジョンに誘われてプラスティック・オノ・バンドに参加していたこともある。
それに、若かりしキース・リチャーズの格好良さよ!
ドラムスは、ジミ・ヘンドリックスと幾多の名演を残して来たミチ・ミッチェルだ。
このドラムも最高級!
ミチ・ミッチェルは、当然のようにドラマーとしての評価は高い。
一方で、リンゴ・スターのプレイも素晴らしく、ビートルズのサウンドはリンゴのドラムが大きな役割を果たしていると著者は思っている。
こういった貴重な演奏が音源としても映像としても残っているのは、まさに嬉しいこと。
ロック・スターの祭典とも言えるステージ上で、堂々とメンバーを引き連れるジョンよ。
この瞬間、ジョンは幸せだったに違いない。
それにしても贅沢なライン・アップである。
このときのジョンは、間違いなくイカシタ男であった。