アルバム『マジカル・ミステリー・ツアー』は、実に様々な角度からアプローチできるし、聴く人々によって、その評価も異なるものかと思います。
また、フィルム化もされていることが、むしろ好き嫌いを分けてしまう要因になっているのかもしれません。
率直に言って、私は、このアルバムが・・・好きです!
超現実的な世界観は、当時の世相をよく顕していて、それでいて遠い未来へぶっ飛んでいる。
画期的な試みだと思います。
映像や写真、あるいは歌詞からも分かるように、どうやらマジカル・ミステリー・ツアーとは、行き先の分からないバスに乗っての旅らしい。
後年、ポールが語ったところによれば、人が聞けば、何気ない言葉であっても、そこには沢山の意味を含ませながら創ったとのこと。
そのビッグ・キーワードの二つとは、ドラッグとトリップ。
いわゆる、「いっちゃった奴」的なイメージを抱きつつ制作していったようです。
行き先の分からない度。
空想の世界。
そこから漂うドラッグの香り。
さらに、彼等は、チベットに伝わる書からアイディアを抱き、「死後の旅」さえも念頭においていたそうです。
思うに、肉体は現世にあれど、魂はどこか摑み所のない空間へトリップしている状態。
そんな超現実的な体感を描こうとしたのかもしれません。
そういったこと共を思いつつ、今一度、マジカル・ミステリー・ツアーと向かい合ってみると、滾々と昏々と湧き出るアイディアの泉に遭遇するのです。
実に、実に、興味深い作品ですね。