日本にも各地に、それぞれの言葉がありますが、イギリスでは、リバプールの人々が話す言葉を「スカウス」と呼んでいます。
いわゆる「リバプールなまり」というやつですね。
その言葉を話す人々、生粋のリバプールっ子を「スカウサー」と言っています。
一般的には、ビートルズの中で、最もスカウサーの味わいが残っていたのは、ジョージ・ハリスンだとされているようです。
ただ、「ザ・ビートルズ」として、世界へ向けて話をするときと、リバプールの人同士で話すときには、当然言葉も違っただろうし、ビートルズの4人のうち、誰が最たるスカウサーだったか?は、本人達あるいは近くにいた人々に聞いてみないと分かりませんね。
スカウスは、同じ英語でも、かなり独特の発音とイントネーションがあり、イギリス人同士でも、なかなか聞き取りにくい場合があるようです。
その大きな特徴のひとつとして、「喉を鳴らしているような」とか、「鼻にかかったような・・・」と、説明してくれる人達がいます。
興味深いことに、この「鼻にかかったような」発音になっていったのには、背景、理由がある!とする説が、イギリスでは有力なのだそうです。
以前、この場で取り上げたことがありますが、リバプールは貧しい港町で、ワーキング・クラス(労働階級)と呼ばれる人々が住んできた土地柄です。
そんなこともあって、栄養のある食事を摂ることができず、船員用のシチュー(スカウス)をよく食べていたとか。
この栄養不足により、大人になっても、鼻水を流している人々が多く、子ども達も、お父さん、お母さんの言葉を聞いて、鼻にかかるような発音を学んでいった・・・とか。
そんなリバプールから、世界に誇る4人組のバンドが登場したのですから、もう郷土の誇りですね。
さて、このスカウスですが、今この時代にも勿論生き続け、リバプール語を話す人々がたくさんいます。
ただ、ビートルズが登場してから半世紀を超え、スカウスの発音も、徐々に変化してきているそうです。
ビートルズ。
スカウサー達が、世界へ放った詩の世界を味わってみるのも、実に興味深いですね。