アルバム’THE BEATLES'は、一般的に「ホワイト・アルバム」と呼ばれ、ファンから愛される作品です。
ビートルズのアルバムの中で一番好き!という人も多いほど。
確かに、収録されている作品には名曲が多く、また実験的な取組も施されています。
ただ一方、4人のメンバーそれぞれが、自分のしたいことを表現するというスタンスも見えることは事実で、ビートルズが辿るその後の運命を暗示していた作品と呼べなくもありません。
今回は、そんなホワイト・アルバムの中から、ジョン・レノンのJulia(ジュリア)について、ちょっぴり触れてみたいと思います。
ジュリアは、決して派手な曲ではなく、ジョンが静かに語りかけるように、あるいは回想するように囁いている・・・というイメージがあります。
ジュリアとは、ご存知の方々もいらっしゃると思いますが、ジョンのお母さんで、ジョン17歳のときに交通事故で亡くなっています。
そんなジュリアの歌詞の中に、こんな一節が出てきます。
’Julia, Julia, oceanchild, calls me. So I sing a song of love, Julia.
oceanchildとは、直訳すれば、海の子。
即ち、洋子・・・・。
まったくの私自身の解釈ですが、ジョンはヨーコの中に、母性も抱いていたのではないでしょうか。
ホワイト・アルバムでは、ジョンがヨーコから受けた影響が如実に表れてきます。
そして、それ以降の作品から、ビートルズ解散への足音が近づいてくる。
ある意味、ロック史上に輝く名盤であると共に、ビートルズファンにとっては切なくもある作品。
このアルバムに収録された1曲、1曲をかみしめていると、ビートルズに起こっている変化が見て取れるような気がします。
ジョンにとって、母親、Motherという言葉は、生涯にわたり、心のどこかに常に存在し、決して消えないものだった。
そう思えて仕方ないのです。