ビートルズのオリジナルアルバムとしては5作目にあたるのが『Help!』。
1965年8月6日に、イギリスでリリースされたこのアルバムの冒頭、A面1曲目を飾るのが、アルバムのタイトル曲でもある『Help!(ヘルプ!)』ですね。
私にとっては、あまりにも特別なナンバーであります。
以前にも書きましたが、私は幼少の頃から、妙にクラシックが好きで、そればかりを聴いて育ちました。
そんな中、自分の意思で初めて買ったクラシック以外のレコードが、ビートルズのこのヘルプ!
LPレコードをターンテーブルにセットする。
回転をはじめるレコード。
針を落とすときの緊張感。
ヘルプ!に針を落としたとき、突然飛び込んできた音は、楽器での演奏ではなく、ヘルプ!と叫ぶ声でした。
これは、衝撃でした。
助けて!といえば、悲壮感も漂うわけですが、このサウンドには果てしないエネルギーとパワーを感じた自分がいました。
また、歌い出しの’When I was younger so much younger than today’という言い回しが、とてもいいですね。
ぼくが今よりも、ずっと若かった頃は・・・・
誰の助けもいらなかったと、ジョンは言います。
おそらく、スターダムにのし上がって行ったビートルズなりの苦悩も、このナンバーが出来上がる背景にはあったのだろうと推察します。
それにしても、ヘルプ!というナンバーを理屈で語ることが、私には難しい。
初めて、あの音、あの声、あのサウンドに触れてときの体感は、私の心に棲み着いて、消えることはありません。
ビートルズには、実に多くの名曲がありますが、自分にとって特別な思い入れがあるといえば、まずはこのヘルプ!だというのが率直なところです。
ロックへの入り口に立たせてくれたナンバー。
こればかりは、他のナンバーが代わることはありません。
まさに、我が人生における特別な1曲であり、それは、どれだけ時間が経っても変わることはありません。