ドクターロバート(Doctor Robert)は、ご存知、あのリボルバーに収録された楽曲です。
ビートルズのアルバムに関しては、いろいろな見方や評価があるとは思いますが、私は、このリボルバーは、重要な位置づけにある一枚だと思っています。
さて、ドクターロバート。
ジョンらしいボーカルの味わいが、ふんだんに盛り込まれたナンバーではないでしょうか。
実は、このナンバーの主人公たるドクター・ロバートには、モデルになった実在の人物がいるとされています。
昨今のモラルからすれば、論外なことですが、ドクター・ロバートのモデルになったドイツ人医師は、ニューヨークを中心に、LSDなどの薬を大量に処方しており、アーティスト達の間では、かなりの有名人だったとか・・・。
ジョンをはじめ、ビートルズのメンバー達は、この医師との直接の交流はなかったようですが、ジョンが歌詞に取り上げるほど、当時は、地下室で名を馳せた人物のようです。
「ドクター・ロバートに電話をしてごらんよって、ぼくは言ったんだ」
「昼夜を問わず診てくれるよ。気分もすっきりさ」
といった歌い出しにはじまり、中間部で出て来る歌詞とメロディーは、ドラッグを歌いながらも、揶揄とも取れるジョンらしさが、垣間見られます。
飛んじゃった!いっちゃった!状態が、あからさま伝わってきます。
それは、この部分ですね。
Well, well, well, you're feeling fine
Well, well, well, he'll make you
Doctor Robert
まったく、ジョンという人は、並の発想では追いつかないところにいるものです。
リボルバー以降もジョンは、実在の人物の名前を変えて、皮肉を歌ったりすることが得意でした。
これは、一種の才能ですね。
ある意味、これぞロックの魂なのかもしれません。