ロックシーンには、いくつかの大きな転機があったと思うのですが、60年代において特筆すべき出来事としてクリームの登場があったと思います。
クリームは、当時としては珍しい3人編成のバンドで、ジミ・ヘンドリックスと共にサイケデリックの騎士とも呼べる存在でした。
ギター&ボーカル エリック・クラプトン
ベース&ボーカル ジャック・ブルース
ドラム ジンジャー・ベイカー
彼等が活躍した期間は、1966年~1968年と極めて短いものでしたが、当時のロックシーンに与えた衝撃ははかり知れないものがあり、特にライブパフォーマンスにおいて幾多の名演を残しています。
ビートルズの時代でいえば、クリームが活動をしていたのは、リボルバー発表時からホワイト・アルバム発表時くらいでしょうか。
クリームといえば、ルール無用の圧倒的なアドリブ、そのグルーブ感が際だっており、しかも3人個々の演奏者としての技術が、あまりに卓越していた。
ビートルズのメンバー達も、少なからず影響を受けたことでしょう。
誰がリーダーシップを発揮するでもなく、延々と繰り広げられるアドリブのバトル。
火が出るような緊張感に包まれたステージでした。
クリームが示して見せた演奏スタイルは、その後のバンドに多大なる影響を与え、各楽器の演奏技法にも革命を起こしました。
ある意味、尺にこだわらないアドリブによる演奏スタイルをロック、ライブに持ち込んだのはクリームだと言っても過言ではないと思います。
ビートルズが現役であった時代に、幾多の新しい息吹が生まれてきたことの象徴のような3人組だったと思います。